確認すべき点を忘れず安全に入浴介助を行う

最新記事 起こりやすい事故とは
更新日:2023/10/29

入浴前に確認すべき点

入浴介助は下手をすると大きな事故につながる恐れがあるので、慎重に行わなければなりません。入浴前の確認事項を紹介するので参考にしてください。

入浴前に確認すべき点

体調の確認

初めに、これから入浴をする高齢者の体調を確認します。体温や血圧などは毎日チェックしているので、入浴前の時点で変化があるようなら注意が必要です。医師の指示で血圧の数値によっては入浴を禁止されているケースもあります。いつもと変わらない数値であっても、本人が何らかの不調を訴えてくるかもしれません。いつもより元気がないのであれば、入浴を控えた方がいいでしょう。明らかに体調不良の時や薬を服用した直後は入浴を控えてください。足浴だけでも効果があるので、状況に応じて対処しましょう。また、脱水症状を防ぐために入浴前は水分補給が必要です。コップ1杯分の水を飲んでもらいましょう。

温度の調整

急激な温度の変化によるヒートショックを防ぐために、脱衣所と浴室の温度を均一にする必要があります。冬の寒い時期は暖房器具などを使って調整してください。浴室は給湯によって温めることができます。入る順番なども工夫しながら、温度の変化を最小限にしましょう。浴室と脱衣所の温度の目安は18℃~25℃が適切といわれています。また、夏は高温・多湿になるため換気が必要です。
加えて、浴槽内の温度も調節しなければなりません。お湯の温度は38℃~40℃が適切といわれています。熱いお湯でなければ嫌がる高齢者もいますが、急激な温度変化はヒートショックの原因になるので避けましょう。じっくりと身体を温めることが大切です。

用具の準備

入浴介助に必要な用具の準備も忘れてはいけません。使用する用具が手元に揃っているかあらかじめ確認しておきましょう。入浴中は高齢者の近くに待機して、必要に応じてサポートします。入浴後の着替えや身体を拭くためのタオルなども準備しておいてください。また、安定した椅子があると身だしなみを整えやすくなります。本人が衣類の着脱をする際も安全に行うことができるので、スペースに合うサイズの椅子を用意しておきましょう。

入浴前は必ずトイレに

お湯につかることで筋肉が弛緩し、失禁するケースも少なくありません。そのため、入浴前には必ずトイレに行ってください。

皮膚状態の確認

脱衣所で服を脱いだら、皮膚状態を確認しましょう。皮膚のただれや赤みなどがある場合は、入浴を控えた方がいいかもしれません。全身の皮膚状態を確認できる貴重な機会なので注意深く観察してください。

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