介護度に応じた入浴介助の種類

最新記事 起こりやすい事故とは
更新日:2023/10/26

入浴介助の種類について

入浴介助にはいくつかの種類があります。介護士として入浴介助に携わる際に必須の知識なので、事前に確認しておきましょう。

入浴介助の種類について

一般浴

介護度の低い高齢者の場合は、一般浴での入浴介助を行います。共同浴場で入浴することになりますが、またがって湯船に入る場合は浴室用チェアーなどの用具を使用して負担を減らします。一般浴の場合、介助は必要最低限にして可能な限り自力で入浴してもらいます。なお、感染症予防などの理由で個室を使うケースもあります。

リフト浴

座っている状態であれば自力で身体を安定させられる高齢者の場合、リフト浴での入浴になります。リフトは、浴槽の中に設置する椅子のようなものです。自力で立つことが難しい車椅子の高齢者などに対して行う入浴介助です。

機械浴

専用の機械を用いて入浴を行うのが機械浴です。機械浴はチェアー浴とストレッチャー浴の2種類に分けられます。チェアー浴はキャスターが付いた椅子に座った状態で入浴する方法です。利用者がタオルやスポンジを持てる状態であれば、手の届く範囲は自力で身体を洗ってもらいます。浴槽の側面が開いて椅子ごと入れるので、身体的な負担は最小限で済みます。ただし、家庭の浴槽とは大きく異なるので利用者にとっては馴染みにくい点がデメリットといえます。移動時の振動や動作音などを嫌がる高齢者もいるでしょう。なお、座った状態を自力で維持できる高齢者が対象になりますが、身体が傾いてしまう可能性もあるのでベルトの装着は必須です。
ストレッチャー浴は、ストレッチャーに寝たままの状態で入浴する方法です。介護度の高い高齢者に対して実施します。身体が浮力の影響を受けやすいので、必ずベルトを着用した状態で、介助する側は目を離さずに都度声がけを行わなければなりません。利用者は寝たままの状態なので、天井以外の景色が見えにくくなります。なお、ストレッチャー浴はお湯につかれるタイプやシャワーで洗身するタイプなどがあります。
機械浴については、事故を防止する体制作りが必須です。お湯の温度や一連の動作など、事故が起きないように設計されていますが、介護士が操作を誤れば重大な事故につながります。日頃から実施していても操作ミスが起こる可能性はゼロではないので、チェック項目などをマニュアル化して事故防止を徹底しなければなりません。フローチャートをまとめた資料を近くに設置して、操作方法をいつでも確認できるようにするなどの対策が求められます。また、経験の浅い介護士は必ず操作に関する指導を受ける必要があります。

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