入浴による効果とは

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更新日:2023/10/22

様々な効果が見込める

入浴による健康作用は医学的に明らかになっています。どういった効果が見込めるのか、具体的に見ていきましょう。

様々な効果が見込める

温熱作用による効果

入浴によって身体が温まることを温熱作用と呼びます。温熱作用によって皮膚の毛細血管や皮下の血管が広がることで血流が促され、体内の老廃物や疲労物質が排出されます。また、内臓の働きを助けて自律神経をコントロールする作用もあります。加えて、細胞の活性化や免疫力の向上といった効果も見込めるため、健康に関する有効性は非常に高いといえるでしょう。なお、入浴方法によってはヒートショックプロテインの生成を促す効果があることも明らかになっています。ヒートショックプロテインとは、傷んだ細胞を修復する働きを持つタンパク質です。

水圧作用による効果

入浴によって水圧を受けることで、血流が促されます。水圧作用によって足に溜まった血液が押し戻され、心臓の働きが活性化し、結果的に血液の循環がよくなります。腹部に水圧がかかることで横隔膜が刺激され、呼吸回数が増えて心肺機能も向上します。水圧作用はプールでの運動などで得られるイメージが強いと思いますが、入浴でも大きな効果が見込めます。

洗浄作用やリラックス効果

入浴には洗浄作用もあります。シャワーだけでは効果が低く、お湯につかることで毛穴が開き、汚れや皮脂が流れやすくなります。蒸気によって鼻や喉にも潤いが生まれ、免疫力の低下を防げます。アロマオイルなどを利用すれば、自律神経を整えることもできます。

対策をすれば大丈夫

このように、入浴には様々な効果が見込めます。一方で、ある程度のリスクもあります。入浴中に心筋梗塞や浴室内熱中症、ヒートショックなどが起こるケースもあるので注意しなければなりません。特に高血圧の高齢者はリスクが大きくなります。
ただし、日常的にこまめな水分・ミネラル補給を欠かさず、入浴前後にも水分補給を行うことで対策ができます。麦茶は水分・ミネラルの補給が同時にでき、血流改善効果や血圧低下作用などの効果も見込めるのでおすすめです。

要介護リスクも低くなる

毎日入浴することで、要介護リスクが約30%も減るというデータがあります。約1万4,000人の高齢者を対象にした調査によると、毎日入浴している人は3年後に要介護状態になるリスクが約30%も低いことが判明しています。入浴によって血行がよくなり、自律神経が整いうつ病になりづらくなります。認知症の発症リスクも低くなり、結果的に要介護状態になる確率が下がると考えられます。そのため、高齢者の入浴は介護予防対策として非常に有効です。

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