メリットだけでなく入浴しないリスクも知っておこう

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更新日:2023/10/25

入浴しない場合のリスク

入浴によって見込める効果だけでなく、入浴をしない場合のリスクも理解しましょう。高齢者が入浴をしないと、身体的・精神的なリスクを招く可能性があります。

入浴しない場合のリスク

要介護リスクが上がる

毎日入浴をする高齢者は要介護状態になるリスクが低くなるという研究データが明らかになっています。入浴には温熱作用や水圧作用による血行促進などの効果があり、それが健康維持につながります。逆に、入浴をしなければそういった効果を得られず、結果的に要介護リスクが上がってしまいます。

免疫力が低下する

皮膚疾患や感染症リスクに備えるためにも入浴は必須です。高齢者は加齢に伴い免疫力や抵抗力が弱まっています。適切なスキンケアを実施しなければ肌トラブルにもつながるため、常に清潔に保たなければなりません。自力でトイレに行くのが難しく、オムツを着用している高齢者は特に注意が必要です。陰部が不潔な状態だと、尿路感染症が重症化しやすくなります。その結果、介護度が上がり重症化する恐れがあります。全身状態の悪化を予防するためにも入浴が必要です。

体臭が悪化する

入浴をしなければ、当然ながら体臭が悪化します。その結果、他者との関わりに悪影響を及ぼすリスクがあります。匂いは五感の中でも慣れやすく、自分では気づかないケースも少なくありません。入浴をしないままだと自分の体臭に気づかず、周囲から避けられるようになり社会的に孤立します。引きこもりになると活動量が低下し、抑うつ状態に陥るリスクが上がってしまいます。社会性を維持し、周囲と交流する機会を持つためにも入浴が求められます。

新陳代謝が悪くなる

入浴は新陳代謝を促す効果があります。入浴をしなければ新陳代謝が悪くなり、免疫力の低下を招きます。体力や活動量は加齢と共に低下します。しかし、入浴に伴う洗髪や洗身による刺激、湯船につかることによる温熱作用によって血流が促進され、新陳代謝は活発になります。また、関節の拘縮を和らげる効果も見込めるため、毎日の入浴が求められます。

睡眠不足になる

睡眠不足に陥りやすくなる点も、入浴をしない場合のリスクとして挙げられます。入浴をしないと自然な眠りにつきにくくなり、結果的に疲労がたまりやすくなります。寝つきの悪さや目覚めの悪さなどの睡眠障害を理由に睡眠導入剤を使用する高齢者は多いです。しかし、睡眠導入剤は転倒や集中力の低下などのリスクを伴います。睡眠導入剤に頼らず質の高い睡眠を得るためには、入浴が必須です。温かいお湯につかることで自律神経が整い、リラックス効果が生まれて眠気を誘います。睡眠に関する悩みを持つ高齢者に対しては、入浴によるアプローチが効果的です。

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